なんだか気温が冬らしくなくて、春に近づいているような変な天気ですね。
これから寒くなるぞ!と気合いれてたのに、なんだか肩透かしをくらったようなnabeです。
今日のはっちブログは、先日26日に上演した、「八戸人生ミュージックシアター」のレポートです。
この八戸人生ミュージックシアターは、八戸で暮らす人、5人の人生の物語をオムニバス形式の舞台作品化したものです。
「ミュージックシアター」なので音楽はもちろんですが、朗読あり、ミュージカルあり、ダンスありと、舞台の様々な手法を使った、とてもバラエティに富んだ作品で、子どもから大人、セミプロから素人まで、さまざまな立場の方が数十人関って作りあげました。
この作品は、昨年9月から開催していた「アートプロジェクト制作実践入門講座」の成果発表です。受講生は数ヶ月をかけて取材と演出を重ね、この舞台作品を制作。
舞台経験者も少ない中で、苦労も山ほどありましたが、それを努力と人との出会いで乗り越え、
5日前からは、はっちシアター2では夜な夜なリハと仕込みを行い、当日に備えました。
当日はおかげさまで満員御礼。
客電がついたまま始まるピアノとヴァイオリンの演奏からこの作品は始まります。
演奏は、はっちオープニング事業「八戸レビュウ」でも演奏していただいた、高橋良之先生と、教え子の澤向直子さん。先生が子供たちのために書いた曲で舞台は幕をあけました。
演奏に続いて始まる最初の物語は、髙島菊次郎さんの人生。
紆余曲折の人生を経ながらも、そのときそのときを自らの意思で生き抜き、いまは魚のよさと美味しさを移動販売車による炭火焼きでつたえる髙島さん。
その人生を、BeFMのパーソナリティとしても知られるしもさき博之さんの軽妙な朗読と、フォークシンガー大吉さんの歌による昭和テイストでまとめあげました。
二人目は下舘敏幸さん。この方は受講生でもあり、人生について取材を受ける側でもあります。
白血病で命を落としかけた経験から、命の大切さを子供たちに伝える活動を行っている下舘さんの人生を、朗読と音楽、映像で構成。
朗読は八戸演劇人、田中勉さんが担当。子供たち3人も出演し、和やかながら命に対する真剣さに溢れた作品となりました。
3人目は、駄菓子屋SuSyの秋山美奈子さん。
SuSyでの一日を描写した物語の中で、光星学院×八戸東高校の女子高生たちによるダンスと歌に負けない圧倒のパフォーマンスを披露。
まさかこの人が秋山さん本人とは思わず、終演後まで女優さんだと勘違いしていた人もいましたが、無理もありません。渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」のカラオケをはじめ、圧巻のステージで、人生というよりは秋山さんの人柄をまるごと見せるような演出。
そして4人目は、ネパールから八戸に来た、レグミ・ザムナさん一家の物語。
石橋由紀子さんによる落ち着いた朗読と、家族それぞれに合わせたBGMが、家族の暖かい雰囲気を表現。
朗読中心の淡々とした展開の中に様々な工夫が凝らされ、家族の人生が鮮やかに描き出されていました。
音楽は下館敏幸さんの作品でも演奏を担当した、シンガーの大久保浩子さんとピアノの蛯名美央さん。坂本九の「心の瞳」という意外な選曲がぴったり。
ラストは、再び高橋先生と澤向さんの演奏へ。
先生の自作「チロルの思い出」~エルガー「愛の挨拶」に載せて、先生の人生が語られます。5つの人生の物語は、ピアノとヴィオラの調べに乗って、それぞれの日常へ、そしてこの作品を見ている人々の心へと繋がっていきます。
受講生のカーテンコールでは、みな達成感に満ちた顔をしていました。
数ヶ月のもがいた苦労が、舞台作品として結実し、私たち事務局としても感無量の瞬間でした。
この作品制作を通して、一人ひとりが多くのことを学びました。
今後はそれぞれの受講生が、日常の中で面白いことを仕掛けていくと思います。
八戸は本当に面白い人材が潜んでいるすごい街ですが、今回の講座を通してさらにそのことを確信しました。八戸はこれからもっと面白くなっていくことでしょう。
取材させていただいた方、受講生、出演者、ご来場いただいた方、みなさんありがとうございました!!!!!!