6/1-17 津波被害にあった写真 浅田政志「アルバムのチカラ」八戸展
季節はもう初夏、花から緑へと移り変わる季節となってきましたね。
はっちスタッフのnabeです。
この6月、八戸ではアートイベントをたくさん開催するのですが、その中から今回は、写真展、写真のことを考える写真展をピックアップしてご紹介します。
写真家の浅田政志さんと、編集者の藤本智士さんによる書籍「アルバムのチカラ」。
2011年の東日本大震災で、津波被害にあった写真やアルバムを洗浄・返却したボランティアの方々の活動を追った記録をまとめた本です。
東日本大震災は、人的被害、物的被害ともに想像を絶するものでした。
津波のあと、山のように折り重なったガレキ。それらは震災前まで、各家庭や職場、学校で大事な役割を果たしていた物たちの成れの果てでした。「ガレキ」と呼ぶのをためらった方もいらっしゃると思います。
その中でも特別な存在だったのが、写真やアルバムだったのだと思います。
ガレキの中から写真やアルバムをより分け、集め、砂や海水を洗って、持ち主に返そうとした人々がいました。
写真やアルバムの洗浄・返却作業は、誰ともなく始められ、津波で被災した沿岸各所で行なわれました。
手元に大事な写真が戻った人たちの喜びと、それを返すことができたボランティアの方々の喜び。
「アルバムのチカラ」は、浅田さんと藤本さんが追った、写真洗浄・返却活動と交流の記録です。
本展覧会は、この「アルバムのチカラ」を元にした写真展となります。
震災から4年が経ち、当時の記憶はだんだん薄れてきています。
ですが、土地や人の心の傷跡はまだ生々しいままで、復興は道半ばです。
いつまでも忘れないこと、たったそれだけでも、一歩になるのではないかと思います。
多くの皆様に、この展覧会をご覧いただければと思います。
会期中の13日には、藤本さんと浅田さんによるトークイベントも開催いたします。
こちらもぜひご参加ください。
------------------
■「アルバムのチカラ 八戸展」
https://hacchi.jp/programs2/arubamunochikara/index.html#
日時 平成27年6月1日(月)〜17日(水)※9日のみ休館
9:00〜21:00(最終日は18:00まで)
会場 八戸ポータルミュージアム はっち
2階 ギャラリー2
入場料 無料
---------------
■トークイベント 写真家 浅田 政志 × 編集者 藤本 智士
日時 平成27年6月13日(土)
19:00〜20:30
会場 八戸ポータルミュージアム はっち
5階 共同スタジオ
入場料 無料(定員50名、事前予約可)
サイン会 イベント終了後、本をご持参・ご購入の方へ書籍へのサイン会を開催いたします。
---------------
書籍「アルバムのチカラ」
藤本智士・文、浅田政志・写真
赤々舎より1,600円+税
はっち1階カネイリミュージアムショップほか全国書店で販売中
赤々舎ウェブサイト「アルバムのチカラ」
今回の展示は書籍「アルバムのチカラ」の発売に伴って開催するものです。展覧会とあわせ、書籍もお手にとってぜひご覧ください。
---------
写真家 浅田政志(あさだ まさし)
http://www.asadamasashi.com/
日本写真映像専門学校在学中より自身を含めた家族が被写体となり、家族写真を撮り始める。その作品をおさめた写真集『浅田家』(赤々舎刊)が第 34 回木村伊兵衛写真賞を受賞。国内外で展示を多数開催。著書は『NEW LIFE』(赤々舎刊)、八戸の市民を撮影した『八戸レビュウ』( 美術出版社刊 )、『卒業写真の宿題』など。
編集者 藤本智士(ふじもと さとし)
http://re-s.jp/about/
有限会社りす代表。2006 年雑誌『Re:S(りす)』を創刊。編集・原稿執筆を手がけた『ニッポンの嵐』(M.Co.)など、手がけた書籍多数。自著に『ほんとうのニッポンに出会う旅』(リトルモア)。イラストレーターの福田利之氏との共著『BabyBook』(コクヨS&T)。編著として『池田修三木版画集センチメンタルの青い旗』(ナナロク社)など。