「ハチノヘものがたり」映像上映報告

八戸地方、主に陸奥湊地区の暮らしや文化に焦点を当てた、アートプロジェクト「ハチノヘものがたり」。


アーティストユニット「SAMA YAMA」(あべさやか+マヌス・スウィーニー)が行ったプロジェクトで、6月から7月にかけて八戸に滞在し、そこに暮らす人々に取材して、映像作品を制作しました。
その映像作品をYouTubeにアップしましたので、展示をご覧になれなかった方々はぜひご覧ください。
どの作品も、八戸以外の「外の目」、アーティストならではの「非日常の目」の新鮮さに溢れています。

※展示の様子は前回のブログをご覧ください。

■「ハチノヘものがたり 魚菜市場」 Mutsuminato fish market


■「うめぼし/八助ポートレート」 Umeboshi / Hachisuke portrait


■「陸奥湊 下駄屋さん 」


誰が見ても同じ風景は同じように見えているものだと思いがちですが、見慣れた風景の中に、表面には見えない思いがけない宝物を発見する人たちがいます。
展示のために、SAMA YAMAが書いたテキストに、このプロジェクトで彼らが見つけた【宝物】のことが書いてありますので、ぜひお読みください。
読後にまた映像を見ていただければ、違った世界が開けてくると思います。

私たちアーティストユニットSama Yama は今年の6月より一ヶ月間、八戸陸奥湊にある魚菜市場の
2階をスタジオに、映像制作を行いました。
私たちは制作の中で、地元の人々の素顔を探るべく、彼らの生活環境に近い所で滞在し、聴き取りを繰り返し、それらを私たちなりの視点で作品に反映することを大事にしています。外から来た私たちが、どのように、どこまで、八戸を探れるのか、それが今回の制作のキーポイントでした。
そのため制作場所として、八戸に在る昔からの風景、そしてそこへ生きる人々の素顔が見られるような場所を探し、たどり着いたのが陸奥湊の魚菜市場でした。
魚菜市場の売り子さん、「イサバのカッチャ」と呼ばれる母ちゃん(と、父ちゃんも)が50年以上前から、早朝1時頃より商いを行う場所です。その当時は前に進めないほど繁盛していたと聞きます。現在は様々な時代背景の変化から市場の店舗数や人数も縮小し、市場自体の存続が危ぶまれています。
不思議なことに、生まれも育ちも日本ではないスウィーニーが八戸の古い町並みや市場にいる人たちに、何だかとても懐かしい感じを受けると言っていました。私もおばあちゃんの家に帰ってきたような気がして、毎日スタジオ(魚菜市場)へ向かうのがとても楽しみでした。
歴史のあるユニークな環境の魚菜市場で制作させていただき、とても強く感じたのは、顔が見える人と人とのつながりです。様々な不安要素が後からあとから押し寄せるこの時代に、冗談を言い合いながら支え合う絆は強く、今の時代に大切なことなのではないかとあらためて感じました。
お客さんとのいきの良い掛け合いは、いつ聞いても心がはずみます。
イサバのカッチャ(陸奥湊の母ちゃん、父ちゃん)のどんとこいの強さを少しでも感じていただけたら幸いです。
2014年7月 八戸にて
Sama Yama  あべさやか スウィーニー・マヌス
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