〈八戸市美術館連携〉八戸市美術館展覧会「美しいHUG!」川俣正さん滞在と、作品制作の様子
八戸市美術館で4月29日(土)から開催する展覧会「美しいHUG!」の出展アーティストの川俣正さんが、作品設営のため、はっちに滞在しました。
今回、川俣さんが制作したのは、以前フランスで制作した大型空間作品の八戸版となる《Under the Water 八戸》です。
この作品は、東日本大震災の際に、カナダ沖に大量の瓦礫が漂着したという新聞記事に川俣さんがインスピレーションを得て制作した作品です。
川俣さんは、これまでも木材や廃材を使った作品を多く制作してきましたが、今回は、ホワイトキューブという大きな展示室の空間いっぱいに、木製の建具や家具などの廃材が吊るされています。
今回、廃材は全て八戸の解体業者さんに協力いただき、八戸で集めたものです。滞在制作では、これらの廃材をひたすら天井のフレームに打ち付けていくという体力と根気のいる作業となりました。
今回は、川俣さんのほか、国内を中心にこれまで数々の川俣さんの作品を手がけてきた3人が制作チームとして訪れ、制作をおこないました。
ベテランチームによって順調に進んだように見えた制作でしたが、途中で廃材が足りなくなるという事態が発生。急遽、市内のリサイクルショップや建具屋さんを巡り、家具や廃材を集めることになりました。なかには青森らしい素材として「りんご箱」も。
集めた廃材を惜しむことなく全て使って、作品を制作していきます。
今回、ホワイトキューブだけでなく、屋外にも作品を設置しました。《Nest in 八戸》は、その名の通り、鳥の巣をイメージした作品です。川俣さんは八戸を訪れた時にカラスの大群をみて、この作品を作ろうと思ったそうです。
屋外での設営日は風が強く、なかなか過酷な状況でしたが、あっという間に2つの「巣」が八戸市美術館の外壁に取り付けられました。
最後に床を覆っていた養生シートをとると、照明の光が木漏れ日のようにふりそそいでいました。作品の完成を喜び合うチームと八戸市美術館の佐藤館長。あっという間の1週間でした。