〈八戸市美術館連携〉八戸市美術館展覧会「美しいHUG!」黒川岳さん滞在と、作品制作の様子
はっちでは美術館などの公共施設と連携し、市内で活動するアーティストの滞在制作の支援も行っています。
今回ははっちに滞在し、八戸市美術館で制作を行ったアーティストの活動報告をお届けします。
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2023年3月26日(日)から4月9日(日)、黒川岳( https://gakukurokawa.com)さんがはっちのレジデンスに滞在しました。
黒川さんは今年4月29日(土)から八戸市美術館で開催する展覧会「美しいHUG!( https://utsukushii-hug.jp)」の出展作家の1人です。
さまざまな素材と体が触れた時に表れるかたちや所作を、彫刻や音楽、パフォーマンスなど多岐に渡る技法で表現しています。
今回は、本展に出展予定の新作を制作するための滞在です。
「美しいHUG!」展で黒川さんが出展する作品《石を聴く》は、11点からなる作品で、うち10点は六甲山の石で作られ、昨年9月から美術館広場に設置されています。
今回は新作となる11点目を八戸の石で制作します。
本作は、石に開けられた穴に頭を入れ、中に響く周りの音に耳を澄ますというものです。
石を聴いているその姿は、石と語りあっているような、ハグしているような、独特な姿になります。
滞在初日は制作場所の準備作業や穴の位置を検討しました。
2日目の朝、石を作業位置に移動させ、いよいよ作品制作の開始です。
今回、作品の運搬や設置に深く関わった梅重畑中造園さんが制作場所を提供してくれました。
ノミやグラインダーを使って、石に穴を彫り進めていく黒川さん。
今回作品となる八戸の石は凝灰岩(ぎょうかいがん)という種類で、ノミを打った周辺がもろもろと崩れやすく、注意しながら彫り進めているとのことでした。
また、穴の大きさや深さは統一しておらず、頭にフィットするようなものもあれば、あえて大きめに設定したものもあるそうです。
穴の中でどのように周囲の音が響くか、という視点で穴を設定しているとのことでした。
石から出る粉塵で、全身真っ白になりながら制作していました。
滞在途中、制作場所から美術館に移動し、新作を広場のどの位置に設置するかの打合せも行いました。
人が石になりきったり、頭を入れる格好になったりしてイメージを膨らませます。
昨年9月に設置した作品も、同じ方法で設置位置を検討しました。
連日の作業の末、新作が完成しました!
新作は展覧会の看板の横に設置することになり、4月8日に梅重畑中造園(https://www.baijyu-hatanakazouen.com)さんと共に設置作業を行いました。
六甲山の石と八戸の石は色や質感が異なりますが、同じ美術館広場の空間内で不思議と違和感がなく、互いに馴染んでそこに佇んでいるように見えます。
黒川岳さんの作品《石を聴く》は、会期に先駆けて鑑賞することのできる珍しいパターンの展示作品です。
いち早く展示された本作は、鑑賞する皆さんとともに、4月29日の「美しいHUG !」の開幕を待ちます。
また、本作は見るだけではなく、実際に触れて、頭を入れ、音を聴く作品です。広場で展示されているので、いつでも触れることができます。
ぜひ石を聴きにお越しください。
<展覧会情報>
タイトル|美しいHUG !
展覧会会期|2023年4月29日(土)~8月28日(月)※期間限定で展示する作品があります。
タノタイガ《15min. ポートレート》|7月29日(土)~8月21日(月)
プロジェクト会期|2022年6月11日(土)~
会場|八戸市美術館
開館時間|10:00~19:00(展覧会入場は18:30まで)
休館日|火曜日 ただし、5月2日(火)、8月1日(火)、8月15日(火)は開館
観覧料|500円/高校生以下無料 各種割引あり
無料観覧デー|6月18日(日)父の日、8月9日(水)ハグの日
主催|八戸市美術館