〈はっちAIR〉今井さつきさん活動報告⑤菊巻きのリサーチ
みなさまこんにちは!
本日は2024年度レジデンスアーティストの今井 さつきさんの活動をご紹介します。
今井さんは、作者と鑑賞者がともに楽しみ、コミュニケーションを通して一緒に作品を作り上げる作品の制作・発表を行っているアーティストです。
今井さんの作品の一つである人間ノリ巻きは、人が入れる大きさのノリ巻きで、誰でも具として巻かれることができます。
5月に初めて八戸を訪れ、1か月のリサーチを行った今井さん。
6月のハチノヘホコテンでは、たくさんの市民の皆さんを巻いて、好きな具材を聞くことができました。
今井さんは八戸について調べていく中、菊巻きという郷土料理があることを知り、ノリ巻きの作品を作っていることからとても興味を持ったそうです。
そこで、10月からの滞在では、「菊巻き」や「菊」についてのリサーチを行うことにしました!
そこで、まず伺ったのが菊農家の田中さんです。
丸い干し菊をつくるための加工場は、蒸すための機械から蒸気がもくもくと出ています。
40年以上使っている機械なんだとか。
次々と機敏な動きで蒸し菊をざるからひっくり返す田中さん。簡単そうに見えますが、コツが要りそうですね。
網に残った蒸し菊をその場でつまんで食べると、甘くてほんのり苦い、優しい味わいでした。
そのあと、菊を育てている畑にもお邪魔しました。
畑の長さは100m!なんと田中さん一人でほとんどの面倒を見ているそう。
後日、田中さんの畑で菊の収穫体験と干し菊の加工体験をさせてもらうことになりました!実際に体験ができるのはとても貴重な体験なので楽しみです。
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そして、郷土料理家山本さんのお家で菊巻きも実際に作っていただきました。
11月を過ぎると市場やスーパーのお惣菜売り場などで菊巻きが並ぶようですが今の時期はまだ早くて、菊巻きには出会えていませんでした。
なので、実際の菊巻きを見るのは今日が初めて!
蒸し器で蒸したふかふかの菊に、和からしの効いたタレをつけ、
大根・にんじん・野沢菜(手に入るようであれば高菜が良いそうです)のお漬物を置き、くるくると巻いていきます。
ひとくち大に切られた菊巻きの断面の美しさ!とても彩りがきれいです!!
今井さんも初めて食べる菊巻き。
思っていた菊巻きはもっと塩辛いのかなと想像していたようですが、
実際にいただいてみると、とてもやさしいお味!
さっぱりして、菊がシャキシャキ、お漬物がポリポリとしてとても良い歯ごたえでした。
おばあさん、お母さんから引き継がれてきた八戸の郷土の味を山本さんも引き継ぎ、菊料理もこの時期によく作るのだそうです。
美味しい菊の保存の仕方や、保存期間によって醤油や塩を使い分ける方法など、菊に関することだけでもたくさんの豆知識がありました。
たくさんの方に知っていただきたいですし、八戸の若い世代の方にもこの季節の美味しい味を引き継いでいってほしいです。
今井さんも今回リサーチで知った八戸の菊文化を今後行う成果発表展などで発信していきます。
そしてそして、1月にはいよいよ人間ノリ巻き&菊巻きの具材を作っていきますよ。
菊巻き講座や、人間ノリ巻き・菊巻き体験も計画していますのでお楽しみに!
内容は決まり次第ウェブでお知らせします!