全国アートNPOフォーラム2019 in八戸

全国アートNPOフォーラム2019 in八戸

1998年の通称「NPO法」制定から20年が過ぎました。この間、法人であるかどうかにかかわらず、全国各地で市民やアーティストが集い、さまざまなアイデアに満ちたアートの現場づくりがなされました。時を同じくして、アートプロジェクトや芸術祭といった、それまでは一般的でなかった形式での大小無数の展開が全国に起こり、現在も多くの人々を巻き込む状況となっています。また、メセナ活動も定着し、地場の文化を自ら支えることを経営理念に掲げる企業も増えつつあります。

「全国アートNPOフォーラム2019 in 八戸」では、これらの活動を推し進めてきた人々、アーティスト、市民、企業、行政などが、垣根を越えて集い、活動の真意を伝えあうことを通して、『地域とアート』のこれからを拓きます。地域の魅力を発掘・発信し、市民みんなでつくる複合文化施設として、2月11日に開設8周年を迎える「八戸ポータルミュージアムはっち」をはじめ、地方都市の特性を活かした多様なプロジェクトを官民で展開している、青森県八戸市で開催するものです。全国のみなさんのご参加を心よりお待ちしています。

全プログラム入場無料となります。

 受付は終了しました

2/9(土)13:10〜18:30

13:10〜15:00

トーク1「市民/芸術文化/地域経済」
平田オリザ氏(劇作家)×加藤種男氏(クリエイティブディレクター)
コメンテーター 小林眞(八戸市長)

会場:1階はっちひろば

全国各地で展開する大小様々な文化芸術の取り組みを、市民主導、地域経済の視点も交えながら考えます。
平田オリザ氏は劇作家として世界的に活躍し、兵庫県豊岡市では城崎国際アートセンター芸術監督にあわせ、国際観光芸術専門職大学(仮称)など、文化芸術を軸とした地域活性に取り組んでいます。加藤種男氏は、アサヒアートフェスティバルに立ち上げから携わり、企業メセナ協議会を通して日本における企業による文化芸術支援を推し進めてきた中心人物のおひとりです。
現在、文化を通したまちづくりに取り組む八戸市の小林市長も交えて、これからの予測・展望を語ります。

登壇者

平田 オリザ(ひらた おりざ)

1962年東京生まれ。劇作家、演出家。劇団「青年団」主宰、こまばアゴラ劇場芸術総監督、城崎国際アートセンター芸術監督。大阪大学COデザインセンター特任教授、東京藝術大学COI研究推進機構特任教授、四国学院大学客員教授・学長特別補佐。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。2011年フランス国文化省より芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。近年はフランスを中心に各国との国際共同製作作品を多数上演のほか、コミュニケーション能力向上のためのワークショップ授業も実施。全国自治体との関わりも多岐にわたり、豊岡市文化政策担当参与、岡山県奈義町の教育・文化まちづくり監もつとめる。

加藤 種男(かとう たねお)

クリエィティブ・ディレクター。アサヒビール株式会社企業文化部を経てアサヒビール芸術文化財団事務局長。アサヒ・アートフェスティバルなど多数の企画を立ち上げる。
2004〜10年横浜市芸術文化振興財団専務理事兼大佛次郎記念館館長。12〜17年企業メセナ協議会専務理事。そのほか京都造形芸術大学客員教授、文化審議会政策部会委員など歴任。芸術選奨文部科学大臣賞受賞。『芸術文化の投資効果-メセナと創造経済』(2018 水曜社)が好評。アートNPO リンク理事。

小林 眞(こばやし まこと)

1950年青森県八戸市生まれ。1975年東北大学法学部卒、青森県庁入庁。1979年自治省(現総務省)入省。1991年浦和市(現さいたま市)企画部長に就任し浦和市、大宮市、与野市の合併に携わる。1997年から自治省で財政局指導課理事官、交付税課理事官など歴任。2001年全国市長会行政部長、2003年自治医科大学大学事務部長。自治財政局財務調査官の2005年に総務省を退職し八戸市長に就任、現在4期目。

15:30〜18:30

プレゼンテーション「地域/伝統/アート」
全国のグループによる活動事例発表
司会 皆川俊平氏(八戸工業大学講師/アーティスト)
今川和佳子氏 (アートコーディネーター)

会場:1階はっちひろば

全国各地の文化芸術分野で活動するアーティストや市民グループが集い、それぞれの活動について報告しあう「大プレゼン大会」を行います。地域に根ざし活動する各団体のそれぞれにユニークな活動のオンパレード。これからの地域を想い描く上で、アイデア満載のこの貴重な機会をお見逃しなく。
八戸からは、現在進行するプロジェクトの紹介も予定されています。

2/10(日)10:30〜17:00

10:30〜12:00

トーク2「だから、自分たちの文化をつくる」
宇野重規氏(東京大学教授、政治思想史・政治哲学)

会場:1階はっちひろば

全国各地で、その土地の歴史や風土に根ざしたアートプログラムが展開されています。それは自分たちの文化を自分たちで作り上げていくという、「自治」にあたるものと言えるでしょう。
政治思想史・政治哲学を専門とする宇野氏をお迎えし、経済の視点からだけでは見えにくい、アーティストや市民が自分たちで地域から芸術文化を発信することの意味と価値について、会場のみなさんとともに読み解きます。
中高生向けの政治の講義を元にした近著「未来をはじめる」が話題になっている宇野氏。丁寧でわかりやすい語り口の中に、新しい文化や政治の語り方のヒントがあるかもしれません。

宇野 重規(うの しげき)

1967年東京都生まれ。東京大学社会科学研究所教授。専門は政治思想史、政治哲学。博士(法学)。著書に、『デモクラシーを生きる―─トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社、1998年)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書、2010年)、『民主主義のつくり方』(筑摩選書、2013年)、『保守主義とは何か―─反フランス革命から現代日本まで』(中公新書、2016年)、『未来をはじめる「人と一緒にいること」の政治学』(東京大学出版会、2018年)ほか。

12:30〜15:00

分科会

❶12:30〜13:30  会場:5階 共同スタジオ

「八戸のアカルイミライを考える」
学生による地域デザインプロジェクト

コーディネート:八戸工業大学創生デザイン学科

八戸工業大学では「地域×デザイン」を基軸に、学生自らが主体者となって、地域を巻き込みながら展開していくデザインプロジェクトを行っています。この分科会では、創生デザイン学科3年生の授業成果と構想発表を、来場者とのディスカッションを行いながら進めていきます。

❷13:30〜15:00  会場:1階 シアター1

「いま、アートを取り巻く問題とは何か」

コーディネート:アート・アンド・ネットワーク

地域とアートに関わる活動は今や全国のさまざまな場所で行われています。しかし活動の主体者たちだからこそ抱える問題や、地域とアートが一般化した今になって気付く課題もあります。こうした問題や課題の共有と解決への糸口を探る議論を行います。

❸13:30〜15:00  会場:1階 はっちひろば

「ネットワークの先にあるものは何か」

コーディネート:アートNPOリンク

2003年の「全国アートNPOフォーラム in 神戸」開催から数えて、16回目を迎える今回。これまで実に多様な全国各地の活動が行き交い、折り混ざり、交流を図ってきました。わたしたちは、これらの機会を重ねることを通し、得てきたネットワークを携え、どこへ向かうのでしょうか。あらためて「ネットワーク」の意味、意義、効果を検討し、その先を探ります。

15:30〜17:00

クロージング

公開会議 〜参加者、来場者とともに〜
「これからの『地域』と『アート』」

会場:1階はっちひろば

フォーラムの締めくくりとして、各地からの参加者や来場者の方々とともに、意見を交換しながら、これからの「地域」と「アート」について考える時間です。もちろん聞いているだけでもOK。自分たちの地域の文化・アートについて一緒に考えましょう!ふるってご参加ください。

全プログラム入場無料となります。

 受付は終了しました

特定非営利活動法人アートNPOリンク

アートNPOリンクは、アートが多様な価値を創造し、社会を動かす力を持つ社会的な存在であるとの認識をもとに、この力を広く社会にアピールしていきます。アートNPO は、市民自治の理念にもとづき、アートと社会の橋渡しを通して、幅広く領域をこえたNPOと連携し豊かな市民社会を創出する役割を担っています。
アートは社会の変化を先取りする力を持っており、アートNPOは社会を変革する潮流において大きな力を発揮できると考えます。そのためには、さまざまなハードルを乗り越え、基盤整備を推進する必要があります。 アートNPOリンクが行う事業の中で抽出された課題や共有化されたニーズをもとに課題解決に向けて次のような取り組みに着手していきます。

  1. アートNPO の社会的ポジションを確立し、社会に向けて提言
  2. アートNPOと他のセクターとのパートナーシップ
  3. アートNPO に関する情報収集・発信・研究調査
  4. アートNPO の基盤強化とマネジメントの確立
  5. 地域密着型のミニフォーラム開催と全国展開

ホームページ: http://arts-npo.org/

アート・アンド・ネットワーク(AAN)

「市民が自らつくり出すアートのお祭り」のコンセプトのもと、2016年度に15年間の活動を終えたアサヒ・アート・フェスティバル(AAF)。全国のさまざまな規模のアートNPO・アートプロジェクトによるAAFのネットワークを母体に、有志によってAANは生まれました。地域とアート、文化振興と政策などを議論し組み替えていく活動の主体者たちによるネットワークです。

facebookページ: https://www.facebook.com/pg/artsandnetwork/about/

■主催
八戸市(八戸ポータルミュージアム はっち)、特定非営利活動法人 アートNPOリンク
■企画・制作
特定非営利活動法人 アートNPOリンク、一般社団法人 アーツグラウンド東北、アート・アンド・ネットワーク
■協力
八戸工業大学創生デザイン学科

はっちの8周年

全国アートNPOフォーラム2019 in八戸「地域とアート」のこれからを拓く

はっち8周年お祝いコンサート